この記事では、公認会計士の修了考査で足切りにならないために現役公認会計士の私が受験対策を考察している記事となります。
足切りになりやすいと考えられる科目については意識的に重きを置いて学習していきましょう。
近年、足切りによる不合格者が増加しているかもしれない
修了考査の合格率が近年減少傾向にあるのをご存じでしょうか。
修了考査の合格率の減少の推移は以下のとおり。
例年の合格率 およそ68%
2018年度 対受験者数合格率 56.1%
2019年度 対受験者数合格率 48.8%
上記のように、2018年度から一気に合格率が低下。
私はこの合格率の減少については足切り(得点比率40未満)の受験生が増加しているため合格率も減少傾向にあるのではないかと推察しています。
足切り受験生の増加理由①
2019年度より試験運営を行う公認会計士協会より、特例措置として、全科目受験者でかつ、不合格者にのみ対象に「修了考査成績通知」を発送するというアナウンスがありました。
令和元年度修了考査の受験者の内、全科目を受験した上で合格とならなかった方へは本年6月を目途に成績通知書を送付します。成績通知書の送付は、令和元年度修了考査を対象とする特例措置です。なお、修了考査実施細則第17条に定めているとおり、成績の照会については応じておりません。
引用元:公認会計士協会HP
https://jicpa.or.jp/syuryokousa/
この意図としては、足切り不合格があまりにも多いため、間接的に不合格の方に対して足切りにより不合格と伝えるためかと推察します。
足切り受験生の増加理由②
私の友人の会計士から聞いた話となりますが、純粋に近年では足切りで不合格になる受験生が多い、という話を聞いたから。(これを根拠とするのは少し弱いですが、理由①の論拠を多少補強しておきます)
足切りになりやすい科目を考察
受験生が足切りになりやすい科目は、ずばり会計実務、税務実務、職業倫理の3つです。(断言しておきます)
理由①:会計実務と税務実務はシンプルに本試験問題が難しい
会計実務、税務実務に関しては過去問を解いてみるのが一番ですが、とにかく毎年本試験の問題が難しい。
私も受験したときに会計実務に関しては全く解けている感覚が無く「足切りしたかも」と思いました。
本試験対策をしたのにも関わらずに。
運よく合格できましたが。
この感覚については周りの同期も同じであり、後輩に受験の感想をきくとやはり会計実務や税務実務は本試験が難しかったため足切りしたかもしれない、と受験直後に愚痴をこぼしているのをよくみかけました。
そのため、経験に基づく考察ですが、本試験対策をしていても対応が難しい会計実務や
税務実務ではリアルに足切りを喰らって不合格となる受験生も一定数入ると思います。
理由:②会計実務と税務実務は出題範囲が広すぎる
会計実務や税務実務の修了考査の出題範囲は会計士の論文式試験の範囲+アルファとえぐいくらい広い。広すぎる。。
しかも受験生のほとんどが監査法人や事業会社に従事されている方であり、出題範囲を完全に網羅するほどの学習時間を確保するのは難しい。
そのためいくら学習しても出題範囲を網羅的に学習するのは結構難しいというのが、足切りになる可能性を高めている理由の1つです。
理由:③職業倫理で選択問題が出題されるため
職業倫理も割と足切りしやすい科目と考えられます。
学習範囲自体は、狭く網羅的に学習することは可能ですが、
本試験問題の問題数が少なく、しかも選択問題が出題される場合、その選択肢を誤ればいくら根拠を合理的に記載しても点数がこない可能性があるためです。
しかも、その選択問題の難易度が毎年絶妙な難易度で、受験生によっては結構選択が分かれる年度も多いです。
そのため、職業倫理は問題数が少なくかつ選択問題が出題された場合には足切りになりやすい可能性が高まります。
補足:監査実務と経営実務は足切りになる可能性は割と低い科目と考えます。
監査実務は多数の小問で構成され、かつ、難易度が低い問題もいくつも出題される傾向にあるため、足切りになるほどのダメージを負う科目になるとは考えづらいです。
経営実務も毎年そこまで難易度が高い出題は無く、答練を最低限回していれば足切りになる可能性は低いです。
各科目別対策
対策方法については以下の記事に詳細を書いてありますのでご参考ください。
ここでは科目別に簡単にポイントを記載していきます。
会計実務と税務実務
結局はこの試験は、相対試験です。
みんな手を付ける教材の理解度を高めれば足切りになる可能性は低くなります。
ということで、以下の方法をおすすめします。
- 答練を5回転する。(周りはまずこれを先にやるためこの習熟度を高める)
- テキストの計算問題の例題を解く(出題範囲の網羅性)
職業倫理
職業倫理は学習範囲はそこまで広くないので網羅的に学習しましょう。
誤って、論点を切るという行為は辞めましょう。
- 答練を5回転する。(周りはまずこれを先にやるためこの習熟度を高める)
- 基準や法令を読む
最後に。
修了考査の合格の秘訣を言わせてください。
修了考査の対策を、早めに着手し、計画的に進めていきましょう!!
ということで、今回はここまで!!
ここまでご拝読頂き、ありがとうございます!