【1,337名合格】2019年(令和元年)会計士論文式試験の合格発表と出題趣旨を考察

論文対策
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こんにちは!がんじがらめ公認会計士です。

今回は、2019年11月15日に発表された会計士の論文式試験の合格発表について

合格率や合格者数、および出題趣旨などから現在の会計士受験業界を考察していきたいと思います。

なお、論文式試験の合格発表や出題趣旨については、このブログで毎度お世話になっている

公認会計士監査審査会の以下のリンク先で確認できますよっと

公認会計士監査審査会 リンク先

https://www.fsa.go.jp/cpaaob/kouninkaikeishi-shiken/ronbungoukaku_r01.html

分析したところ、ここ5年は受験者が増加傾向にありました。会計士業界にとっては明るい情報ですね!

ではいってみましょう!

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会計士論文式試験の合格発表と出題趣旨を考察

公認会計士監査審査会の「合格調べ」に基づく受験者・論文受験者・合格者(率)

(下記、表にしてまとめてみた)

また、グラフにしたものがこちら。


願書提出者:私が論文合格した平成26年のときから順調に受験者数が伸びていますね。

表を見ますと、平成28年度から現在の令和元年まで毎年受験者が概ね700人程度(約+7%)増加傾向にあるのですが、凄すぎですね。

毎年7%ずつ受験者数が増加しているのは凄まじい!

会計士の人気が段々と高まってきているのですかね!(^^)!

論文合格率合格率はここ5年間とおよそ10%程度を推移しており、今年の論文も過年度と同水準の合格率となりました。

したがって、今年も合格難易度に変化は見られませんでした。

また、上記表にはないのですが、今年の願書提出者のうち女性比率は24.4%と会計士受験生のうち4人に1名が会計士受験生とのことです。

女性の会計士受験者が増加傾向といえますね。

この記事を執筆している現時点では、私は監査法人で勤めていますが、

大手監査法人はどこもシニア人材の流出が問題となっているため、会計士受験生の数が増加している傾向は嬉しい情報ですね。

監査法人の人材不足問題にとっては朗報となりました。

論文式試験の出題趣旨と考察

今年の論文の各科目の出題範囲は以下の通りでした。

会計学Ⅰ

  • 第1問 
  • 問題① 原価計算制度(実際部門別個別原価計算)
  • 問題② 標準原価計算と仕損
  • 第2問 
  • 問題① 原価企画活動
  • 問題② 投資意思決定と最適セールスミックスの決定

出題実績を見ると、私の受験生時代からよく見る論点ばかりですね。目新しい論点はございませんでした。

会計学Ⅱ

  • 第3問 リースの貸し手、減損会計
  • 第4問 ストックオプション、純資産(自己株式)、資産除去債務、国庫補助金の圧縮記帳
  • 第5問 連結財務諸表の総合問題(持分法、企業結合、事業分離)

出題実績を見ると、第3問のリースの貸し手処理は、私の受験生時代では論点としてはCランク(優先度は低い)だったため、準備をしていない受験生にとっては論じるのが若干難しそうな印象を受けます。

 また、第4問の国庫補助金の圧縮記帳の問題は現場での対応力が問われそうな問題ですね。上手く記述できない受験生も多そうです。

 その他は、私の受験生時代からよく見る論点ばかりですね。目新しい論点はございませんでした。

監査論

  • 第1問 試査、監査証拠、監査固有の限界、内部統制報告制度
  • 第2問 リスク識別、リスク評価、リスク対応手続


出題実績を見ると、問1については典型論点な問題の印象を受けました。ただ、内部統制報告制度は受験生でも手薄な方がいたかもしれませんね。

問2については、現場での思考力が問われる問題ですね。

私の受験生時代も問1が概念系の問題で、問2が現場対応型の問題であったため出題形式は昔から変わっていない印象を受けました。

企業法

  • 第1問 取締役会(決議なしの場合の重要な財産の処分の効力、利益相反取引)、取締役の報酬
  • 第2問 簡易株式交換、会計帳簿の閲覧請求権



第1問は典型的な問題の印象を受けました。

第2問は細かい論点が出題されていますね。このような問題に対応するには、予備校の答練のみでなく、しっかり企業法のテキストも読み込んで、網羅的に学習していないと論述が難しいのではないでしょうか。

租税法

  • 第1問 適格現物出資、譲渡制限株式、国庫補助金、外国転出時課税、貸倒損失、無償による役務提供、残余財産の配分、保険金
  • 第2問 法人税の計算問題(総合問題)、控除対象外消費税額、グループ法人税制、所得税の計算問題(総合問題)、消費税の計算問題(総合問題)

第2問の計算問題はボリュームが多いですが、出題形式は5年前から大きな変更点は見受けられませんでした。

第1問は法人税、所得税、消費税の中から幅広く論点が出題されている印象を受けました。

適格現物出資、外国転出時課税については私の論文受験生時代では範囲外であり、修了考査での範囲でした。租税法に関しては、今の論文受験生は昔より出題範囲が広くなっており大変ですね。



経営学

  • 第1問 製品ライフサイクル、プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)、普及曲線、グローバル競争戦略、ネットワーク
  • 第2問 ポートフォリオ理論、フリーキャッシュフロー、NPV(正味現在価値法)、オプションの本質価値と時間価値、2項モデル

出題実績を見ると、私の受験生時代からよく見る論点ばかりですね。目新しい論点はございませんでした。但し、第1問の普及曲線という用語は私の受験時代では学習した経験が無いため、新しい論点なのでしょうか。

以上、論文式試験の出題趣旨を眺めてみるとそこまで私の受験時代から変化はしていなそうな雰囲気を感じました。合格率も特に変化していないですしね!

今回の論文式試験に合格された方、本当におめでとうございます!
私の受験生時代は合格発表はインターネットで見たのですが、合格が分かった瞬間は、飛び跳ねて喜ぶというよりかは、安堵感と同時に、これから監査法人で働くことへの恐怖感を感じていました(笑)

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