会計士試験の論文式試験は短答式よりも攻略が難しいと思います
理由その① 理論問題は深い理解が無いと回答できない
私が短答式試験よりも論文式試験の方が難しいと考える理由の1つとして、
「理論問題は深い理解がないと論文式試験の問いに回答できない」
というものがあります。
正直なところ、短答式試験で求められる理論問題については
選択肢による問題のため、結論をしっかりと抑えていればその理論の背景についてはうろ覚えであっても回答にたどり着けます。(私の場合ですが)
なので、理論の背景については「知っているか知らないか」という曖昧に記憶している状態でも
理論問題を解けてしまうのが短答式試験でした。
他方、論文式試験では理論問題の背景について「知っている」だけではなかなか回答を作成することは難しいです。
つまり、論文式試験での理論問題の対策については「人に説明できる」くらいの状態となって初めて合格水準の回答が作成できるようになります。
ここで「人に説明できる」と「知っている」との間では暗記の量に大きな隔たりがあり、
「知っている」はせいぜいテキストを2,3回読めば十分ですが、
「人に説明できる」レベルまでにもっていくにはテキストを何回転もして暗記していく必要があります。
このように、論文式試験では「人に説明できる」レベルの暗記量が求められるため
私は短答式よりも論文式の方が攻略が困難と考えています。
そのため、短答式受験生はテキストを読み込む際には
論文式の学習にも活かせるように、はじめは簡単でいいので「人に説明できるレベル」の暗記を早いうちから心がけて学習していきましょう。
それが会計士試験合格のための効率的な学習といえます。
理由その② 科目数が単純に短答より多くタイムマネジメントが必要
私が短答式試験よりも論文式試験の方が難しいと考える理由の1つとして、
「科目数が単純に短答より多くタイムマネジメントが必要」
というものがあります。
短答式試験の受験科目は、4科目(財務、管理、監査、企業)
ですが、
論文式の場合ですと6科目(租税、監査、会計学①、会計学②、企業、選択科目)
と単純に2科目多いです。
そして、この6科目をうまくタイムスケジュールを組んで回して勉強するのって結構たいへんなんですよ。。
人間の性として、どうしても得意なことをもっとやろうとして苦手なものを避けてしまう傾向ってあるとおもいます。
受験生時代のわたしも大好きな会計学②と租税法にどうしても学習時間が偏ってしまう傾向にあり、
苦手な会計学①の学習は避けてしまう傾向にありました。
この対策としては、「この△△科目を〇〇時間勉強したら次は××科目を〇〇時間勉強する」というサイクルを自分で作成して、このサイクルに沿って勉強してなるべく苦手科目を作らない学習を心掛けていました。
論文式受験生のあなたも
なるべく苦手科目を作らないように、まずは自分の学習の傾向を把握し、うまく勉強時間のリソースが全受験科目に配分されるようにタイムマネジメントを心掛けてください。
先ほど記載しているわたしのサイクルに沿った学習方法なら、良い具合に勉強時間が各科目に配分されるので試してみてください。
理由その③ 論文式試験でも計算力が圧倒的に大事なため
私が短答式試験よりも論文式試験の方が難しいと考える理由の1つとして、
「論文式試験でも計算力が圧倒的に大事なため」
というものがあります。
論文式試験の総得点(素点:700点)のうち、計算問題はおおよそ3割といわれています。
(会計学①:40点、会計学②:80点、租税法:60点、経営学:50点くらいですかね。毎年だいたいこのくらいの割合です)
そして論文式試験の採点は、理論問題の採点は厳しくて有名ですが、計算問題は回答数値が合っているかどうかのため、計算問題が得意な受験生のほうが安定して高い水準で成績を維持することができるのです。
つまり、論文式試験では理論については「人に説明できる」水準の習熟度が求めれられ
計算問題についても安定して得点するためには短答式試験合格水準程度の実力維持が求められます。
(会計学での話です。もちろん租税や経営学についても会計学と同様の高い水準の計算力が求められます)
そのため、論文式試験だからといっても計算力も常に磨いていかなくてはならないため、
短答式試験よりも難しいと考えられるのです。
最後に、、効率的な学習方法とは
論文式試験を攻略していくためには
勉強時間をより多くとる戦略も大事ですが、
それ以上により効率的に学習していくことを常に考えていくことが大事です。
以下にわたしが受験生時代に実践していた効率的な暗記法となります。
是非試してみて、あなたのやり方とフィットするのならば取り入れてみてください。